トラブルと解決策

ネパール人との国際結婚のトラブルと解決策、階級社会について

あなたと私は対等であり、人と人とは平等であるという意識と、階級社会について

日本の子どもたちは、幼いころから、自分達は周りの子と同じであるとして育っています。

例えば、小学校や幼稚園でクラス発表をするときに、「あの子は頭がいいから、あの子はお金持ちだから、あの子の親が優秀で幼稚園にとって有益だから」という理由で、主役の座になったりすることは、ありません。

そして、主役の座に選ばれなかったその他のわき役の子どもたちや、裏方に回る子どもたちも、「あなた達も大切な役割があり、この発表を支える大事な存在なのよ」と言われて育ちます。

価値観の違い

「主役の子は親に何かあるのかな?」 ネパール人の夫はそう感じた

そうでない社会で生まれ育った旦那は、子どもたちの発表を見て、私に聞きました。

「主役の子は、優等生なのかな? それとも、その子の親に、何かあるのかな?」

・・・多分、何もないし、その子の親が何の職業をしているのかなんて知らない。
多分、主役になりたい子どもたちで、じゃんけんしたら勝った!くらいでしょう。

ネパールでもしこのような発表会をしたら、必ず主役はクラスで一番カッコいい“いいところ”育ちの金持ちの子どもで、常にその子を中心に、立場を入れ替えることなどなく進むはずだと。
お金持ちでも何でもない、普通の家に育った自分は、常に後ろの方で目立たなく立っていた群衆の一人で、一番前に来る機会があるとは思えなかった・・・と。

日本の子どものこの発表は、ネパールでは考えられない!
日本では、多少の運や実力は必要とされるにせよ、本人が望めば主役になることもできるし、わき役になることもできるし、裏方に回ることもできる。
そして、そのように、どのような選択も自らできる社会は、実は、非常に珍しいことです。
アメリカにせよ、ヨーロッパにせよ、アジアにせよ、社会の前提として階級意識があり、それは、生まれた時からそのようなものとして育てられてしまう。
主役の座にいる子は、常に煌びやかな主役に。裏方にいる子は、よほどでないと主役にはならない。

そして、日本人の幼いころからのこの育てられ方が、あなたと私は対等であるという意識と、人と人とは平等であるという価値観を育んでいくことになります。

 

解決策

アメリカの「Black Lives Matter」などの黒人差別問題の背景は、今まで言語化されていなかったこのような階級意識、差別意識が浮き彫りになってきたことだと思っています。
(これは、良い変化ですね)

ネパールにおいても、2018年の憲法改正で「カースト制度」が撤廃されました。
人々の意識が変わるのに時間がかかるにせよ、少しずつ世界は変わっていくものだと思います。

「日本人の一番良いところは、日本人は意識していないけれど、あなたと私は対等であり、人と人とは平等であるという意識が根付いていることだ」
10年ほど前、国際政治学を教えてくれた大学の恩師が退任する時のスピーチで、私に教えてくれたことです。

そうだとすると、日本人であることを、少し誇りに思います。

 

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