退去強制令書と再審情願、行政事件訴訟について
退去強制令書が出ているか、確認する
不法滞在の外国人と聞いた時には、退去強制令書が発布されているかどうかが、一つの分かれ目でしたね。この確認は、以下の2つの方法のどちらかで、確認が可能です。
- 通知書を持っている。
本人に対し入管法第24条の各号のいずれか(個人によって異なります)に該当している、かつ、在留特別許可に該当しないとの書かれているもの。 - 仮放免許可書の番号に、「退」の文字がある。
退去強制令書が、まだ出ていない場合は、在留特別許可を行うことが出来ます。すでに出てしまった場合は、在留特別許可さえ提出することが出来ません。
退去強制令書が出た後で、取りうる手段はあるか?
この場合に、取りうる手段は、以下の4つです。
① 自費出国
自分で飛行機代を支払う、または仲間内や外国の親族から日本にいる友人などに送金したお金を、本人に手渡したうえで、飛行機のチケットを購入し、帰る。
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② 強制送還(国費送還)
朝起きたら、飛行機に乗せられ・・・うんぬんです。
③ 再審情願
退去強制令書の発布後に、事情変更があった(婚姻したなど)場合に、もう一度入管に対し審査してほしいと願出るものを、再審情願といいます。非常に困難ですが、これでしかもう方法がない案件も多いです。
④ 裁判による退去強制令書発布処分取消請求訴訟
退去強制令書発布後、6カ月以内ならば可能です。教示もされます。ただし・・・。
不法滞在している事実が、全くの虚偽だったら訴訟をする価値はあると思っています。しかしながら、ほとんどの場合において、不法滞在している事実そのものは、覆すことができないと思っています。
違法行為があると分かったうえで、それでも、「妻子がいる」「どうしても家族と一緒にいたい」という想いだとすると、裁判は微妙かなと、行政書士としては思います。
(弁護士さんは、別の見方をすると思いますが・・・)
収容後に自費出国し、5年間の上陸拒否期間中に、何度か認定申請をして上陸特別許可をもらうか、仮放免許可で粘って、再審情願や取消訴訟をするのかは、本当に悩みます。
最後は、本人たちの意思を尊重するしかないと思っています。
退去強制令書後の収容について (新設)
退去強制令書後も、速やかに本国に帰国できない場合は、監査措置により収容を解くことができます。
監査措置の決定と、監査人の選定について をご覧ください。
まとめ
退去強制令書後も、いくつかの手段がありますが、どれも非常に厳しい結果が予想されます。
どれを選ぶのか、最後は、本人たちの意思を尊重するしかないと思っています。
なお、難民認定申請者については、以下もご覧ください。
難民と、補完的保護対象者(=準難民)認定申請と、国際結婚について はこちら