不法滞在と国際結婚

不法滞在で警察や入管に捕まった

不法滞在で、警察や入管に捕まった

警察の職務質問や入管職員の立ち入り調査などで、外国人が在留カードを所持していない場合は、捕まることになります。(在留カードは所持義務があるため、持っていないこと自体が違法行為だからです)
その上で、「なんで持っていないのか?」を警察署などで聴取され、そこで不法滞在がバレてしまうことになります。

不法滞在の彼が家に帰ってこないです。捕まったかどうか心配ですがどうしたらいいですか?

 

不法滞在の彼が家に帰ってこない

とにかくは、ひたすら待つしかないです。
2、3日で、警察署内にいる彼から電話連絡が入ることが多いです。その電話で、警察に捕まったことをあなたが知るようになります。

その後、入管法しか違反行為がない場合は、一週間程度で警察署から入管に移送されます。その後は入管で面会できるようになります。

 

その後、どうすればいいですか?

彼が入管に収容され、会いに行けるようになったら、この後のことを含めて話をします。
(ここまでに連絡をいただければ、面会に同行することもあります)

この時に二人で決めなければならないことは、3つあります。
① あなたと結婚するかどうか?
② 諦めて本国に帰るかどうか?
③ どうしても、日本に残りたいかどうか?

 

①あなたと結婚するかどうか?

☑ 警察や入管に捕まるまでの相当期間、きちんと交際してきましたか?
☑ 交際を立証する資料はありますか?
☑ 同居した期間はありますか?
☑ あなたの家族は彼との交際を知っていますか?
☑ (再婚の場合)待婚期間は経過していますか?
☑ 本国で別の女性と結婚していませんか?

彼があなたと結婚する気がない場合や、収容施設から出てビザを得るための手段としての結婚を望むならば、その結婚に、私は本気で反対します。
多分、彼は、入管であなたと面会するときは、そして、あなたに電話するときは、非常に真剣で情熱的に愛を伝えるでしょう。それだけ、彼も、必死なのでしょうけど。

きちんと見極めて、偽装結婚や重婚などに巻き込まれないようにしましょう。
交際歴がきちんとあり、婚姻の信ぴょう性がしっかりしていれば、収容中でも婚姻を成立させること自体は可能です。
直接、婚姻届を出してサインすることができないから、面会で差し入れるなどしますが・・・。ただね、収容中の婚姻は、あまり良いものではないと思われがちですね。

 

②諦めて本国に帰る

彼が収容に耐えられない場合、日本での交際実績が全くない場合、待婚期間や、本国で別の女性と婚姻しているなど、そもそも婚姻が成立しない場合などは、諦めて本国に帰るのが一番です。
違反調査を受け、退去強制令書が発布され、その上で帰国することになります。
上陸拒否期間(日本に来ることができない期間)は以下の通りです

□警察や入管に捕まって、速やかに自費帰国した →1年(ただし、改正法施工後)
□警察や入管に捕まって、帰国した場合(初犯) →5年
□不法入国、不法上陸の場合         →5年
□上記が二回目以降である          →10年

 

(現行法)出国命令を使うことはできませんか?

警察に捕まっていない場合、出国命令で出国し、その後1年間経過すれば入国ができるようになるとお伝えしました。
しかし、警察に捕まってしまったあとでは、出国命令による出国は出来ません。

 

(現行法)帰国後5年間、絶対に日本に来ることはできませんか?

警察や入管に捕まった場合、彼が本国に帰国した後5年間は日本に入国できないのが、現行法のルールです。しかし、「上陸特別許可」が認められれば、この期間を短縮することができます。

 

(改正後)出国命令を使うことはできませんか?

改正法により、警察に捕まってしまった後でも、入国審査官から退去強制対象者に該当する旨の通知よりも前に(=つまり、入管の取り調べ時の後すぐに)「すぐに本国に自分のお金で帰ります!!」と意思表明すれば、出国命令が使えるようになります
これは、非常にメリットのある大きな改正ですね。
この、出国命令による帰国だと、上陸拒否期間が1年となります。ただし、「短期滞在」で来日する場合は、従来通り5年の上陸拒否期間です。

 

入管法以外の理由で、警察に捕まった場合

その他の理由で警察に捕まった時は、どうすればいいですか?

不法滞在ではなく、交通法規違反(交通事故など)、窃盗などの犯罪、薬物犯罪などで「彼が警察に逮捕されてしまって、どうしたらいいか分からないと」連絡が来ることはあります。

まずは10日間又は20日間、警察に勾留されて取り調べがあり、その後起訴されれば刑事裁判があります。刑事事件の取り調べや裁判については、弁護士さんにお願いするしかないです。国選の弁護士さんがついている場合が多いですね。

その間に本人の在留期限が切れそうな場合は、行政書士が更新申請を受任することもあります。本人はどう考えても入管に行けないので、本人以外に書類を出せるのは行政書士しかいないからです。(友人や配偶者は提出できません) また、「推定無罪」なので、本当に無罪になった時に不法残留になってしまうのでは困ります。

ただし、有罪で刑が確定すれば、在留不良のため不許可になります。

 

警察から入管に身柄が引き渡されたようです。これから、どうなりますか?

彼が刑事裁判で刑が確定した後(又は、刑の執行が終了した後)に、以下の場合は警察から入管に直接、身柄が引き渡されることになります。

1. 無期または1年を超える実刑が確定した者 (執行猶予を除く)
2. 薬物などで、有罪判決を受けたもの (執行猶予を含む)
3. 就労系の在留資格で、窃盗などを行ったもの (執行猶予を含む)

どれも、入管法に定められる「退去強制事由」に該当するからです。これだけの罪を犯したのだから、日本から出て行ってくれ!と言われます。

 

どうしても、どうしても、彼に帰ってほしくないです。彼のこと、諦めきれないです。どうすればいいですか?

・・・そうですか。非常に困りましたね。

あなたと彼の結婚手続きが終わって、あなたの戸籍に彼の名前が載ったら、あなたにもできることがあります。

入管の収容を解いて、一緒に暮らす
監査措置の決定と、監理人の選定について は、こちら

夫婦としてあなたと一緒に暮らすためのビザを申請する
在留特別許可を行う は、こちら

 

-不法滞在と国際結婚

Copyright© オリ行政書士事務所 , 2023 All Rights Reserved.