ネパールにおいて「法律婚」で婚姻を成立させる場合は、通常は、市役所に婚姻届を提出します。
(昔はC.D.Oに直接提出しましたが、現在市役所に婚姻届を提出し、その後文書がC.D.Oに回り他に婚姻していないかどうかを警察等により調査、確認した後に、もう一度市役所で婚姻証明が発行される流れとなっているようです。地方によって若干異なりますので、各自大使館等にお確かめください)
ネパールで初めから婚姻手続きを行う為には、婚姻届提出後に最低15日間の滞在が必要で、それも、出来る場合と出来ない場合があったりします。法定された期間であり、彼が独身かどうかなどの地元警察の調査が入る為、この期間を短くすることは、非常に難しいです。
それとは別に、「裁判結婚」という形もあります。
ネパール人同士では、妊娠した相手方の男性が結婚を拒んでいるときに、裁判で強引に結婚をしたりします。
(交際相手の女性が妊娠したら、結婚しなければならないルールでしたね :ネパールでは妊娠したら自動的に婚姻成立を参照)
また、法律婚では証人が一緒に市役所に同行しなければなりませんが、異カースト間の婚姻など、周囲から猛反対されている婚姻の場合にそれが出来ない時があります。
そのようなネパール人カップルを救うため、「裁判結婚」という形がありますが、これは、日本人は使わない方がいいと個人的には強く思います。
ネパールにおける「裁判結婚」は、絶対にやめた方がよい
ネパール人弁護士に、「簡単に裁判で結婚できるから、これで結婚してVISAを申請したらいい」と言われた人の、裁判結婚の判決文を翻訳したことがあります。
・・・・判決内容。「(要約)日本人夫に捨てられそうなため、私たちの結婚を認めてほしい」
えっと、結婚は出来るでしょう。
・・・しかし、この内容の翻訳文を添えて、VISAが通るとも思えない。
自分が任された仕事内容(この場合は裁判結婚の成立)が終われば、その先のことなんて考えなくてもいいと思う、ネパール人気質があまりにも露骨に出ていて、絶句した覚えがあります。
そして、ネパール語が全く分からない日本人が、この様な手続きを安易に弁護士に任せてしまうことの怖さを、実感します。
ネパール人と日本人との国際結婚を取り扱う上で、私は出来るだけ日本側で婚姻手続きをすることを強くお勧めしています。
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ネパール人と日本人の結婚は、実は根底に流れている社会のルール、そして明文化されている法律により、あまりにも異なります。そして、双方の結婚における条件をすべて満たしていることが、日本の法律においてもネパールの法律においても要求されます。
もちろん、結婚前や結婚後にすべてを知る必要などありませんが、どこかでトラブルになった時に、相手の中に流れるネパール的な考え方を、少しでも理解していると違うのではないかと思います。
そして、その上で、どうしていけば二人が幸せになれるのかを考えることが、国際結婚の醍醐味であると、そう思います。
ネパールの法律と結婚については、ここまで。
ネパール法における離婚や相続も日本法とは全く異なります。もしこのようなネパール法の知識が必要とされる場合は、当職までご連絡ください。