注!
2024年(令和6年)6月10日より新しい入管法が施行され、この日以降「仮放免許可」や「監理措置」の制度が変わりました。なお、従来の仮放免許可を持っている人は、そのまま継続することができます。
退去強制令書後の監理措置とは?
入管による違反調査が終わり、「不法滞在者」との認定を受け、かつ、「在留特別許可される特別な事情はない」とされてしまうと、退去強制令書が発布されます。
詳しくは、退去強制令書の発布と、上陸拒否期間短縮許可申請 をご覧ください。
入管としては、今後速やかに本人を本国に帰国させるための計画を立てて、粛々と、かつ容赦なく実行していくことになります。こういうのって、非情ですが・・・。
退去強制令書後も、監理措置が決定すれば、収容されない
本人が本国に帰国するまでの間、入管内に収容することが良くないと判断される場合は、(退去強制令書後の)監理措置を決定することができます。この場合、本国に帰る時までは、不法滞在者であってもなお、あなたと一緒に暮らすことができます。
退去強制令書後の監理措置では、就労できない
違反調査中の監理措置と大きく異なる点が、就労が出来ないということです。
すでに、入管としては「とにかく早く帰ってくれ!!」と思っているのに、まだ日本で働いてもいいですとは、言えないですから。
不法就労になってしまうために、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、又はその併科となってしまいます。(罪に問われれば、上陸拒否期間も変わります)
本当に、本国に帰れるか??
退去強制令書後の監査措置では、監理人はいつか必ず、本人を入管内に収容させ、又は空港に連れていき、本国に帰さなければなりません。
彼が働いていた時、本当にあなたは事実を入管に伝えることができますか?
彼は、本当にあなたの前から逃げたりしませんか?
日本から出国させるために、彼を入管や空港に連れていけますか?
辛い別れがいつか必ず来ると分かっていながら、監理人となって監理措置を継続することになります。その覚悟は、あなたにありますか?
なお、退去強制令書発布後も、自主出国許可された後に、入国拒否期間を1年とする申請が可能です。この許可が取れたら、もう少し素直に本国に帰れそうですね。
詳しくは、退去強制令書の発布と、上陸拒否期間の短縮許可申請 をご覧ください。
収容と仮放免許可申請について
収容と仮放免許可申請について
入管法が改正され、監理措置が新設された後でも、従来からある仮放免許可申請がなくなったわけではありません。ただし、仮放免許可申請を行うことができるのは、従来に比べてはるかに限定されます。
☑ 健康上に問題がある(病気や入院など)
☑ 人道上で問題がある
☑ その他これらに準ずる理由(出産や乳児の養育など)
つまり、医療についての必要性や、人道的な目的がある場合にのみ、仮放免許可を使うことができます。これらに当たらない場合は、全て監理措置によることになります。
また、現在仮放免許可を得ている人は、あえて監理措置に移行する必要はありません。
まとめ
東京入管の7階に行き、狭い小部屋が並ぶ一室で、鉄枠に囲まれた透明な強化プラスチック越しに本人に会うのは、行政書士でもやはり胸に来るものがあります。
それが、あなたの大切な恋人や、配偶者ならば、なおさらです。
早く「監理措置」を決定してもらい、収容施設から出してあげたいと願うその気持ちは、理解できます。また、違反調査中の監理措置ならば、もし許可がもらえれば、就労することもできます。それって、今まででは出来なかったことであり、本当にラッキー💖です。
しかし・・・・
監理人の責務は重く、そして、監理人の義務と届出を適切に行わなければ、監理人に対して処罰規定まであります。私でさえ「はい!監理人を引き受けます!」と簡単に言うのには躊躇していて、二の足を踏んでいるような状況です。
私としては、真摯な婚姻であると確認され、在留特別許可申請書作成、又は上陸拒否期間短縮許可申請書作成とセットならば、まだ引き受ける余地はあるかなと思っています。(うーん、要相談ですが)
お困りの方は、ご連絡ください。監理措置とはどのような制度かを丁寧に説明する中で、今、何をすべきかが分かってくるように思います。