ビザの変更や更新の不許可と、出国準備ビザ
ビザの変更や更新が不許可になったとき
配偶者ビザやその他のビザの更新や変更が、不許可のときのことを説明します。
まずは、「現金」4000円と書いてあるハガキを見たら、腹を括った方がいいです。その上で指定された日時に行かなければなりません。
苦しい立場に追い込まれることは確かですが、それでも、貴方の愛情が確かならば、諦めることはありません。
出入国在留管理局から、日時指定の書かれたハガキや封書が届きました。どうすればいいですか?
申請してしばらくすると、入管からハガキや封書が自宅に届きますが、不許可らしい見分け方は、あります。
(ハガキや封書に直接、不許可ですと書かれていることはありません)
- 現金で4000円用意するよう、指示がある。
- 〇月〇日の〇時に(又は、〇日までに)入管に来てくださいと書いてある。
- 収入印紙の欄に、チェックがない
- 必ず本人が出頭してくださいと書いてある
以下は、東京出入国在留管理局から来たハガキです。
地方入管によってやり方は異なっていて、申請時に住所を書いたハガキに、印紙の欄を二重線にして、現金に訂正してあることも多いです。
また、東京出入国在留管理局では、就労審査部門(仕事のビザ)の不許可は封書で来ることが多いです。
うーむ、震えあがるほど、嫌な通知ですね。
仕事柄多少は慣れていますが、それでも、一日くらいは落ち込みそうです。
指定された日時に、行くときに大切なこと
まずは、指定された日に本人と配偶者が出入国在留管理局に行きます。
この時、必ず夫婦二人で行ってください。
入管は、誰が不許可理由を聞きに来たかを、必ずチェックします。夫婦の今後を決定することに無関心な夫や妻だと思われるのは、次の申請に確実に影響します。
あと、出来れば、出入国在留管理局に不交付の理由を聞きに行く前に、国際業務専門の行政書士さんに相談し、同行(一緒に理由を聞いてもらう)してもらう方がいいです。
愛し合って結婚した二人の仲を引き裂き、本人を本国に帰国させるよう審査官に促された時に、本人や配偶者が取り乱して泣き崩れてしまうことはとても多いです。
その修羅場(?)の中で、何が原因で不許可になり、今後どうすれば許可が取れるのかを冷静に審査官と詰めていくのが、私たち行政書士の仕事です。
通知書と不許可理由の開示について
↑上は、その時に審査官から渡される通知書です。
このケースは、留学している時に週28時間を超えて働いてしまった(=オーバーワークした)ことを、既に入管は把握していて、在留状況が好ましくないために、「日本人配偶者等」の在留資格への変更が不許可になっています。
不許可には必ず理由があり、そして根拠となる事実が書いてあります。
審査官は、意地悪や、その時の気分で不許可にしているわけではありません。
不許可にするだけの明確な理由があります。
だからこそ、なるべく冷静に、丁寧に、審査官から具体的な根拠に基づく理由を聞きだし、今後の方針を本人や配偶者、審査官と共に検討していきます。
もちろん、その時に審査官から「次の申請は大丈夫!」などというお墨付きは“絶対に”もらえませんが、何度も不許可理由に同行して経験していると、審査官の感覚がなんとなく伝わってくるものです。
不許可後のビザは、どうなりますか?
残りの在留期間があるかどうかによって、対応は異なります。(すべてのビザに共通です)
(1)残りの在留期間がまだある場合
残りの在留期間が30日以上ある場合は、申請前のビザの状態が継続されます。
その時は、もう一度再申請するか、もしくは他のビザに変更できないかを検討します。
どのビザにすれば、許可の可能性があるかを、慎重に検討します。
(2)審査中に在留期間が切れてしまった場合
出国準備ビザ(30日又は31日)に変更する。
「特定活動(出国準備)」という在留資格です。在留カードに穴をあけられ、パスポートに証印(シール)が貼られて、そこに日付が書いてあります。
元々が就労ビザで、在留期間が31日となる出国準備ビザをもらった場合、東京出入国在留管理局(品川)では、再申請が可能な場合があります。
(3)いったん本国に帰国し、在留資格認定証明書を提出する
「リセット」とよく言われる手続きです。
審査官から、本国にいったん帰国するように言われた場合や、在留状況が非常に悪く、変更申請や更新申請で許可が見込めない場合に行います。
まとめ
出入国在留管理局の奥にある小さな部屋(仲間内では説教部屋と呼んでいます)で、あなたたち夫婦の今までの努力では、許可は認められないと言われます。
審査官に、彼が本国に帰るように促されることもあるでしょう。
泣いても、暴れても、嘆願しても、不許可であること自体は絶対に変わらないです。
・・・辛くないはずは、ないです。
だけど、その中で、次の手掛かりとなる小さな光を見つけ、希望を繋ぐ役割をするのが、私の仕事だと思っています。
実際には、審査官から不許可理由をお聞きし、本人と私と審査官の三者で今後の申請について詰めていくのですが、その話し合いの中で、少しずつ元気になります。
モヤモヤしていた不安や心配が晴れて、今後しなければならないことが、はっきりと明確に見えてくるからです。
そして、そこまでできれば、後は、次の申請に向けて頑張るだけです。
おまけ
私自身も、不許可のハガキを見ただけで、憂鬱になります。
不許可理由を聞くのは、今でも、本当に辛いです。
何度も経験しているけれど、本人や配偶者の涙を見るのは、分かっていてもきつくてね。
だけど、ここを乗り越えなければ幸せになれないと分かっているから、正念場だと腹を括って、覚悟を決めて、真摯に誠実に取り組むことにしています。
一番厳しい状況で、それでも前を向いて進むために、どうしても必要なことだからです。
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