国際結婚の手続き(フランス編)
外国方式による国際結婚の手続きについて説明します。
海外で先に婚姻を成立させ、それを、日本大使館または領事館に届出をする、もしくは帰国後に役場に届け出ることで、両国での婚姻を成立させます。
まず初めに、外国方式の結婚・入籍をすることにしました。
結婚・入籍の手続きは、どのように行いますか?
今現在、何らかの事情で海外に居住しており、そのまま現地の人と婚姻して海外(相手国)に居住する場合や、日本と相手国で遠距離恋愛中で、相手国に居住することが決まっている場合に行います。
また、結婚後日本で生活する場合でも、確実に両国で婚姻を成立させるためには、外国方式の結婚を初めに行うことが、望ましいです。
外国方式の結婚・入籍は、日本のように、ふらっと外国の役所に行き、申請書類をもらい、記入して提出すれば、婚姻成立になるわけではありません。
(日本の婚姻及び離婚は、世界的に比べれば、かなり簡単に出来るシステムだと思います)
その国の婚姻の制度をきちんと調べ、その国にあったやり方をしていく必要があります。
各国様々な方法がありますが、代表的に、フランスとネパールの二つの国を例に外国方式の結婚・入籍の方法を説明します。
二つの国で、あまりの違いにびっくりして、やっぱり丁寧に情報を収集しなければ・・・と思っていただければと思います。
(ほんと、結婚って、国それぞれです)
フランス方式の結婚・入籍の手続き
大まかに分けて、4つの段階に分かれます。
- 日本側で必要な書類を揃える。
- フランス側で必要な書類を揃える。
- 1.2両方の書類を持参し、フランス市役所で、市長の前で宣誓をする。
(これで、フランス方式の婚姻が成立します) - フランスにある日本大使館に、婚姻届け及び資料を提出する。
主に、1と4を説明し、2と3は省略します。
(フランス人が、フランス側で集める書類や手続きは、よくわかりません。提出する市役所によって異なるので、フランス側で確認が必要です)
また、日本人が再婚の場合、提出書類が増えます。
ここでは説明しませんので、不安な方はお問合せください。
日本側で必要な書類を揃える。
- 戸籍謄本(全部事項証明書)(3~4通)
- 改正原戸籍(3~4通)
- 戸籍謄本及び改正原戸籍のアポスティーユ(各1通)
戸籍謄本(全部事項証明書)(3~4通)
本籍地の市町村に請求し取り寄せます。
改製原戸籍(3~4通)
横書きの全部事項証明書は、H20年頃、コンピューター化に伴い、作成されたものです。
それ以前の離婚歴等を証明するために、2の改製原戸籍が必要になります。
(これも、本籍地の市町村で発行します)
戸籍謄本(全部事項証明書)及び改正原戸籍のアポスティーユ〈各1通)
![]() 非加盟国は手続きが異なりますので、ご注意ください。 |
戸籍謄本及び改正原戸籍の認証が必要です。
正規な市役所で取得された、正しい書類だということの証明書です。
(アポスティーユと言います)
東京、神奈川、大阪では、公証役場でアポスティーユの取得が可能です。
その他の都道府県に関しては、東京又は大阪の外務省に提出します。
なお、当事務所も、戸籍の取得及び改正原戸籍の取得代行、
又は戸籍や改正原戸籍のアポスティーユの代行を行っております。ご検討下さい。
海外からの問い合わせに対応も可能ですので、ハーグ条約加盟国で日本に帰国せずに結婚したい場合は、ご検討ください。
フランスに渡航し、日本大使館で書類を作成する
ここで、フランスに渡航します。
フランスにある日本大使館に行き、戸籍謄本から、フランス語での書類を作成してもらいます。
提出書類は、5つです。
- 申請書(大使館にあります)
- 戸籍謄本(アポスティーユ付き)及び改製原戸籍(アポスティーユ付き)
- フランスの役所発行の必要書類リスト
- あなたのパスポート
- 手数料この1から5を提出し、
- 出生証明書(フランス語翻訳あり)
- 独身証明書(フランス語翻訳あり)
- 慣習証明書(フランス語翻訳あり)
を日本大使館に作成してもらいます。
ここまでが、日本人の配偶者のために集める書類です。
お疲れ様でした。
・フランス側で必要な書類を揃える。
・1.2両方の書類を持参し、フランス市役所で、市長の前で宣誓をする。
(これで、フランス方式の婚姻が成立します)
ここは、記載を省略します。
フランスにある日本大使館に、婚姻届け及び資料を提出する。
婚姻が成立したら、3か月以内に、フランスにある日本大使館に、婚姻の届け出を行います。
- 婚姻届け 2通
- 婚姻証明書 2通
- 婚姻証明書の和訳文 2通
- 配偶者のフランス人のパスポート又は身分証明書
- パスポート又は身分証明書の和訳文 2通
- 戸籍謄本 2通
- 届出人のフランス滞在許可証又は日本のパスポートのコピー
新しい本籍地が別の市町村になるときは、提出書類が3通になります。
書類を提出し、受理されたら、日本での婚姻が成立します。
これでフランス方式の結婚・入籍は終了しますが、この後、
日本で暮らすならば、日本人の配偶者ビザの申請および取得、
フランスで暮らすならば、フランス人の配偶者ビザ(長期滞在ビザ)
の申請及び取得がが必要です。
どちらも、審査が厳しく、取得には長い時間を要します。
フランス方式の結婚・入籍では、ビジタービザを取得し入国をすると、帰国せずに手続きを完了できます。
ビザなしでフランスに滞在した場合、短期ビザの有効期間内に、いったん帰国し、日本で配偶者ビザに切り替えるよう言われるようです。
なお、手続きの変更等がある可能性や、住む場所により上記の手続きでは不可能な場合があるかもしれません。
また、フランスでは事実婚や、パックスなど、正式な婚姻ではないシステムが存在します。
ご自身でお確かめの上、慎重に行ってください。
まとめ
外国方式の婚姻においては、日本の証明書をその国に合わせる形式にするため、段階を踏んで手続きを行っていきます。
手順を丁寧に踏んでいけば、大丈夫です。
途中でうっかり手続きを飛ばしてしまうと、次に続かなくなります。
遠い海外の地で、日本で行うべき手続きのミスが発覚したら、挽回するすべはあることを、覚えておいてください。
急いで、日本語が表示できるパソコンを探し出し、海外業務を取り扱っている行政書士さんに連絡を取り合うことをお勧めします。
もちろん、私でも!!
日本で行政書士が書類を取得し、海外に発送することができます。
委任状等が必要になりますので、ご了承ください。
続いては、ネパールの結婚手続きについて、説明します。